桝とは(基礎知識)
四角柱や円柱状の、水を溜めたり、汚水や泥を溜めるなどの機能を有するものを、建築・土木の業界では総称して桝と呼びます。あまり聞きなれない言葉ですが、私達の生活する住宅、道路など、様々な箇所で使用されており、実は無くてはならない存在です。
使用用途
住宅施設内の各排水を一時的に貯留したり不純物を沈殿させて水だけを流す為に使用されたり、同様に道路廃水を一時的に溜めたり側溝内のゴミや泥を溜めて側溝が詰めることを防ぐ役割で使用されます。
建築分野の桝
道路分野の桝
桝の間隔
道路分野における集水桝は、側溝内を流れる雨水等の排水を集める役割を果たします。一旦そこに水を集めることで側溝の水があふれないようにします。集水桝は、各自治体の定める設置間隔基準に基づき設置されます。
【設置間隔の例】
近畿地方整備局の場合:設置間隔は次式により算定し、最小間隔5m、最大間隔30mで5m単位とする。
各地方整備局、自治体により基準がございますので、検討の際にはご確認ください。
桝の施工方法
桝は種類、用途により大きさも材質も様々です。建築分野で用いられる雨水桝、汚水桝などは塩ビ製のものが一般的です。道路分野で用いられる集水桝などはコンクリート製のものが用いられいます。一般的に集水桝は現場で制作されます。
設計図面に指定されている寸法のものを、木型を組上げ、生コンクリートを打設して構築し、設置場所へ運搬します。水路と接続する為、この際開口も設けて制作します。
桝の製作
現場製作される桝。一見単純な形状に見えますが、接続する水路の為の開口、蓋を掛ける為の凹みなどを形成しなくてはならず、熟練の技術を必要とします。
陸打ち
現場製作ではありますが、本来設置したい箇所でこのように型枠を構築することが困難な場合は、別の場所で型枠組立、コンクリート打設を行い、2次製品化し、所定の場所へ吊り込み据付けます。このような施工を「陸打ち(おかうち)」と呼びます。